連鎖のDCG

主にDCGについて書くブログだった。今はメギド72やVtuberに関してもちょっと書く。

CryptoSpellsの今後の方針と、ゲーム詳細のおさらい。

CryptoSpellsがカードの先行販売から一転、カード販売を停止し返金することになって早1ヶ月。順調に返金手続きは進んでいたようだが、ここで今後の方針を明らかにした。

medium.com

どうやらカードの販売はゲーム機能のリリースが出来てからとなり、満足のいくサービスのためにパートナー会社と提携する予定だということだ。

 

果たしてパートナー会社に心当たりがあるのかについては知るところではないが、CryptoSpells(クリプトスペルズ)を死産のまま終わらせない気概自体はあるようだ。

 

ここで、クリプトスペルズの特徴をおさらいしよう。

 

Cryptospells(クリプトスペルズ)の大まかな特徴

・バトルシステムは基本的に国産ハースライクゲームを参考にしている。

ブロックチェーン技術によりカードの有限性を担保。

・カードの効果修正をカード所持者たちの投票で決める。(非中央集権

 

以上の3点を踏まえて、ここからは現時点で分かる情報で詳しく解説していく。

 

バトルシステム

medium.com

 

バトルシステムの基本情報。判明している点。

・デッキ枚数は30枚

・同名カードの同時投入枚数は3枚の予定(Twitterにて回答。変更の可能性あり)

・プレイヤーのライフは30

・手札上限は10枚

・盤面に展開できるカード枚数は7枚まで

・カードの種類はユニット、スペル、土地、マジックボトルの4種

・リーダーが赤、青、緑、白、黒の5色でニュートラルカードがある

・各色にリーダースキルがあり、そのうちの一つずつが判明

・レアリティはブロンズ、シルバー、ゴールド、レジェンドの4種類

エルフ、ソルジャーなどのカードタイプが設定される

・「前衛」などの各種キーワード効果

 

不明瞭・説明不足な点

・ハント型戦闘か?ブロック型戦闘か?

・ゲーム開始時の初期手札枚数。先行、後攻で違いがあるか?

・リーダースキルの発動に必要なチャージを3回行うとは何なのか?

・MPの最大値は10で良いのか? ……など

 

既存TCG、DCGとの違い

f:id:chain_dcg:20181108182501p:plain

 

既存のTCG、DCGとクリプトスペルズの違いについて比較する。

 

まず、クリプトスペルズは大きく分けるとDCGに分類される。カード資産の管理やカード効果の発動をプログラムで自動処理するためだ。

 

さて、既存DCGでは「プレイヤーの課金=パックの生産」なのでプレイヤーの需要に対して十分なパックが供給され、カードの高騰は発生しなかった。一方で、カードの供給量はブロックチェーン技術を駆使することでTCGのような有限性を意図的に作り出すという。つまりクリプトスペルズはカードの高騰を狙って作り出そうとしている。

 

これは、クリプトスペルズは仮想通貨など投機目的を持つ人々の間で育まれてきたブロックチェーンゲームを背景に持つためである。通常のDCGと違い、カードゲーマーだけでなく「取引すること」自体に楽しみを見出す人々も客層として捉えている。

 

カード調整についても挑戦的で、クリプトスペルズはカードの所持者たちをカード効果調整に参加させようとしている。これはTCG、DCG両方でかつてなかったことだ。

 

クリプトスペルズはDCGなので特に何の策も講じなければいずれは生産終了ではなくサービス終了がやってくる。TCGの生産終了だけならカードを大切に補完すれば、その後もそのカードで遊ぶことが出来る。DCGのサービス終了はバトルを処理する場が無くなるので、そのカード資産を使って遊べなくなってしまう

 

トークという用語の認識の違いにも注意が要る。DCG、TCGでいうトークンは「カード効果などで手に入る、直接デッキには入れられないユニット、スペルカードなど」のことを指す。

 

一方、クリプトスペルズのトークブロックチェーン技術に由来した用語で、「既存のブロックチェーン技術を借りて発行されたカード商品」という意味である。つまり発行されるカードは全てトークンなので、クリプトスペルズを遊ぶならこちらの考え方にも慣れていこう。

 

課題

クリプトスペルズはカードの価値を高めてプレイヤー間の取引を活発化させることで収益を上げる狙いがあると思われるが、いくつかの課題が挙げられる。

f:id:chain_dcg:20181108182516p:plain

TCGにおいてカード価値を担保する要素について、ひとまず4つ考えた。

①需要と供給のバランス

②環境で強さが評価される

③カードイラスト

④生産終了後も手元に残る

これらをもとにクリプトスペルズの課題について考えていこう。

 

①について、最近はポケモンカードの転売問題が記憶に新しい。供給不足で高騰自体は起こるし、転売として取引もされる。

 

ポケモンカードでは供給が追い付くことで高騰は沈静化したが、クリプトスペルズは供給の不足を意図的に継続させる。取引もゲームシステムの範囲内として組み込んでいるため、初動からしばらくは高騰したカードが取引されていくはずだろう。

 

ただ、カードゲーマーの視点では「買えないからやらなくていいや」というようにそもそもカードゲームをやめてしまうケースが必ず発生している。これを乗り越えて人口を維持できるかが課題となるだろう。

 

②については心配だ。カードの強さはカードの価値に関わる大きな要素で、それを所持者が決められるのであれば、カード価値が乱高下したり、強カードが調整されないまま環境が停滞したりするリスクが予想される。このリスクで買い控えが起きて価値が下がっては本末転倒だ。

 

非中央集権をうたっているとはいえ、全部プレイヤー任せではないと思われる。プレイヤーを安心させるためにもカード調整の意思決定プロセスをあらかじめ詳しく明示する必要があるだろう。

 

③についてはまだなんとも言えない。カードイラストのフルアートを快適に見られる機能などを付けることで、デジタルなカードトークンの付加価値を高める効果はあるだろう。

 

④はDCGである以上避けられない課題だ。中にはDCGのカード画像を印刷してサービス終了後も遊ぶファンが存在するものの、彼らがゲーム内で課金して得たカード資産自体は電子の海へと消えてしまっている

 

ブロックチェーン技術がデジタルデータの有限性を担保する以上、デジタルでカードを使える場を残せる余地が無ければユーザーの不安につながることは確実だ。できればサービス終了後でも有志がサーバーを立てるなどすればサービス中と同じくらいの自由さで遊べる状態が理想である。オープンソース等で可能なのだろうか?

 

こういったサービス終了後を見据えた課題も早い段階で答えを出してユーザーに明示できないと、クリプトスペルズは難しい立場に立たされるだろう。

 

終わりに 

いずれにせよクリプトスペルズの今後の動向が注目される。

公式サイトはこちら↓

cryptospells.jp