デッキリストの墓標 ~ウォーブレを振り返るその1~
早いものでウォーブレのサービス終了が迫って参りました。
私は昨年9月にウォーブレのデッキ投稿用にTwitterアカウントを作って以来、いくつかデッキリストをスクリーンショットにしてTwitterに投稿してきたので、今回はそれを見て思い出を振り返り、私なりの弔いにしたいと思います。思ったより多くスクリーンショットを上げていたのでまずはA3期とB1期を振り返ります。
A3期
2017年10月23日:初心者シェド改
デッキ投稿サイト「War of Brains Now」で投稿されていた初心者用のシェドデッキに私なりの改変を加えてみたデッキです。レア以下のカードとこの時期にすぐ手に入ったプロモの《慌てんぼうのミンティ》と水着キアナ(戦士の休息キアナ)で構成されており、《ファジー・ブリッツ》や《豪菌種セルゲイト》で体力の多いユニットの攻撃力を一気に高めて殴るのが勝ち筋でした。この時は確か資産の少ない新規プレイヤーがサクッと始められるように安いシェドを考えていました。
10月25日:シェド制限ルール用
VICTOR(10月7日開催)の興奮も収まり、やっぱりイナバ・セツナの吹き荒れるこの環境つれぇわと思った有志が制限レギュレーション(通称Bレギュ)を決めてルームマッチをする企画が流行していた時の制限シェドデッキです。ラピスではヨミ等ブーストラピスのやべーやつらが制限されており、シェドではシンジェリスなどが制限の対象でした。《メディケーション》やリワード効果で得た小粒のスペルを《心術士パンドラ》や《喝災神ドンバルカン》で活用していくデッキでした。パンドラを3積みした関係で、《Dr.ウェイン》も入れていました。
10月31日:ミネルヴァ待ち
もう少ししたら《魔法連刃のミネルヴァ》が実装されるという時期にミネルヴァを待ちきれなくて作ったデッキです。同じ4コストの《非情な参謀ヴォルカ》をミネルヴァに見立ててデッキを組んでいます。
ミネルヴァの使い勝手については当時諸説ありましたが、A3ベラ(時空の流刑者ベラ)と《ジェリス》を入れたデッキを使っていた経験のある私は、トラップを手札からセットするのも1プレイに相当するという見落とされがちな仕様を活かして4ターン目からトラップ+ミネルヴァという動きを決めようとしていたようです。トラップが消化されなくて困ったら《移動式砲台G-DOC》の弾にするという寸法でした。
11月2日:ミネルヴァ待ちその2
2日後にはまた別のミネルヴァ待ちのデッキ案を考えていました。今度は《戦場の華スワラ》をミネルヴァの代わりとしています。この当時のシェドはヴォルカや《日傘のリリア》をナーフされ、環境で不遇な立ち位置におり、いかにミネルヴァを心待ちにしたかが分かります。(当時不遇だったからこそVICTORでブーストラピス相手にコンシェドのジルシヴァコンボが決まったシーンは大きな見どころになったりもしました)
このデッキには何を思ったか水着キアナが3枚入っていますが、当時の水着キアナはマグナで《権高なイプシロン》と共に運用されるのが主流でした。
11月9日:ミネルヴァ
まだ1枚ですが、ついにミネルヴァを手に入れてウキウキ状態でした。医者と《夢見るデヴィ》のコンボも使おうとしていますがこれは当時でもマイナーなコンボでした。
《堕天妃の急襲(B1)》が無かったこのころも《豪神の力》でメモリーを増やして《華の妖精ポポリ》などの4コスト以降につなげ、相手より多くコストを使い《慟哭のジル・クライハート》を出す隙をうかがうのがシェド主な勝ち筋の一つでしたが、一試合に時間がかかるので結局ラピスに人が流れる状態が続いていました。
11月10日:環境メタ(試)
どうやらミッドレンジデッキ研究の最中の1枚のようです。当時の私はなんとかして脱《豪神の力》を実現しようとしていたみたいです。当時環境の王者はラピスでしたが、 メイグルがナーフ前だったためエモΣユニオンも一定数おり、それに対抗するために《華の聖賢アン・サリヴァン》を採用していました。
11月28日:どうぶつタワー
当時は環境に疲れ切ったウォーブレプレイヤーの間で「どうぶつタワーバトル」がにわかに流行し始めていて、それにあやかったジョークとしてジャジャエンなどのマイナーどころも入れた獣ラピスデッキを組みました。エモΣデッキで活躍していたユニオンの《検体仁義アカマムシ》が《獣の饗宴》で出てくると相手に利用されてこちらの盤面がボロボロになるので、アカマムシの事を密かに「獣界のユダ」と呼んでひどく憎んでいました。
当時はカードゲーム好きに限らずどうぶつタワーバトル(略称DTB)が突然の大ブームを始めた時期であり、DTBの作者も大喜びしながらサーバーを増設したりマッチングを改善したりといった様子がTwitterで展開されていました。どうぶつタワーバトルはシャドウバース(ワンダーランドドリームス)にもウォーブレ(イナバ・セツナ)にも疲れ切ったプレイヤー達からは絶妙に実力が出るゲームであるともてはやされ、アグロキリンだとかコントロールキリンだとかどうぶつタワーバトルにカードゲーム用語を持ち込んではしゃいでいました。もう少し前はアズールレーンも流行っていた気がします。
11月30日、12月4日:セイレーンシェド
《飛脚兎イナバ》がナーフされ、いよいよエモΣ等のスペルを多く搭載したユニオンが増えるだろうというメタ予想の元、満を持して送り出したセイレーンシェドでした。ウォーブレNowにも投稿し、デッキの回し方やカード解説も熱心に更新していました。おかげさまで当時のウォーブレNowの投稿デッキランキング1位をとっていた時期もあったデッキで、「このを使ってみました!」という感想メッセージも頂きました。
2ターン目に出した《恥ずかしがり屋のアイシャ》を3ターン目の《響水神セイレーン》で効果を消して盤面の優位を取るのが基本戦術で、《ラッキー》よりも《戦場医オリーブ》や《ジェリス》を好んで使っていました。思い出のカードA1シェーラ(華の聖導シェーラ)が入っていたり、ダンダ王龍対策の《忍誅党頭領ゲンドウ》やタオシン対策の《正義の姉妹ケイ&ミイ》をピン刺ししていたりと自分なりのこだわりが深くうかがえます。思い返すとこのデッキタイプをいじっていたころが一番シェドを愛していたと思います。
12月20日:ドンバルカン
無類の《喝災神ドンバルカン》好きのプレイヤーの方に影響されて組んだドンバルカンで盤面を制圧するデッキでした。ドンバルカン自体はマイナーカードの域を出ないのですが、ドンバルカン入りのデッキはこの後も度々使っていました。ドンバルカンを活用する関係で2コスト以下が多いリストです。ユニット重視のランプシェド(コンシェド)をよく使う傾向もこのころから出てきました。
12月25日:モルドンバルカン
クリスマスもウォーブレやってました。パンドラやミネルヴァ、ドンバルカンなど即座に除去したいユニットを立て続けに並べることで相手の処理を強要させ、息切れしたところに《土神モルド・マルド》をドドンと出せたらいいなと考えて組んだデッキです。ターンの最初に使いがちなドンバルカンのメモリーが増える効果を利用してモルド・マルド→オーバーヒートでドンバルカン→モルド・マルド起動といったコンボも考えたりしました(実用性があったかと言われるとアレですけど)。
2018年1月17日:1月のセイレーン
11月末のセイレーンシェドの微調整版です。シェーラとラッキーを無くして《肉食医ポテミータ》と《華の聖賢アン・サリヴァン》を増やしたリストになっています。アイシャは思い入れの強いカードなので、味方ユニットの効果を消すカードがもっと増えてくれればとずっと思っていましたが、結局セイレーン以降味方ユニットの効果を消すカードは増えなかったのは残念でした。
1月18日:化学者フエール
《権高な論者イプシロン》のバウンス時効果で「種族:化学者」のユニットを増やすことをコンセプトにしたデッキです。《苦痛の理解者ドレッド》や《死闘の傍観者》はマイナーどころだったので使ってみて新鮮でした。
《死闘の傍観者》の専用BGM「Darkness Empire」はいかにもボスキャラクターって感じの曲調でかなり好きでした。他にも《Dr.ウェイン》の「Doctorythem」も好きでしたね。
1月18日:化学者でフエール
化学者フエールのついでで作ったデッキで《クローンフィーバー》の「化学者が場に居るとユニットを2体増やす」効果でログアウト持ちのユニットを増やしてログアウト効果を複数回発動させようというのがコンセプトでした。あんまり強くはなかったですね。この当時はB1のカードが公式Twitterで順次公開されていって、私はB1カードの強さの事前予想に力を入れていた気がします。
1月19日:A1大会用シェド
B1リリースまで秒読みということで、A1のカードだけで組んだデッキで大会をするイベントが有志で主催されました。A1大会にはこのA1シェドデッキで挑んだわけですが、正直言ってめちゃめちゃ弱かったです。
A1のシェドのカードプールはヴォルカや日傘のリリアがナーフされていなかった当時でも他国のA1と渡り合うには不足だったと言われており、実際のA1環境では7コストの《天を貫く王龍》や6コストの《暴食龍ガウ》などがいて、ジャオロンのサーチ効果も相まって非常に強力で「ウォーオブタオシンズ」と揶揄されていたそうです。
1月19日:初めてのユニオン
初心者向けにリストを考えたユニオンデッキです。メイグルがナーフされていなかった当時のユニオンの強みを出しやすいデッキで、安さと強さを兼ね備えた自信作です。
公式が声優当てキャンペーンなどで新しい顧客獲得を目指していたのに呼応して、初心者向けデッキの提案をするなど、ウォーブレに新規を呼び込む工夫を自分なりにしていたのがこの時期です。おそらくウォーブレに長続きしてほしかったんでしょう。
1月27日:ブーストラピス
ブーストの効果をたくさん使う目的で組んだデッキです。《獣拳ルウ》のようなブーストを使われることでステータスが強化されるタイプのユニットがもっと出てほしかったですね。ルウに限らず、メモリを破壊することでコストの下がる《豪神ガリオン》やソウルバーストの使用でコストの下がる《桎梏の神パールバティ》など「どうして別コスト、別ステータスで似た効果のユニットを実装してくれないの?それがあればデッキタイプとして大成したかもしれないのに」というカードが結構あってかなり残念に思っています。
1月31日:A3最後のセイレーン
いよいよ明日B1実装ということでA3を振り返るために投稿した、幾度となく微調整を繰り返した愛用のセイレーンデッキです(モルドンバルカンも結構愛用していました)。2017年7月の新規プレイヤー大量流入によって奇跡的な延命をとげたウォーブレですが、もともとA3で畳む予定を急に翻したせいか、それとも開発のせいかA3期は7か月近くにも及びました。とにかくA3期が長く、その間のバランス調整やプロモ実装に手間取ったウォーブレ運営は多くのプレイヤーを取りこぼしていきました。
それはさておき、当時のプレイヤーたち(生き残った猛者たちとも言う)は「もうA3が終わり、明日にはB1が来るんだ」という事実を、現実感の伴わないふわふわしたような感覚で受け止めていました。そういう想いの中でこのデッキを眺めていた時が、私にとってウォーブレでの最も美しい思い出の一つです。
B1期
2月1日:起動天空
ついにB1が実装された初日。当然皆ウキウキだったわけですが私が最初に手を付けたのは天空神シェドでした。環境初期だったので結構勝てました。当時の私は事前予想で「天空神は粒ぞろいで強い。ゴリラ(土轟のガーデン)はミッドレンジで活躍する」などという供述を繰り返しており、今も《土轟のガーデン》を強いと思っています。
で、このデッキは《土轟のガーデン》のメモリーセーブ効果で最大メモリーを割るタイミングを起動持ちユニットによって制御しようというコンセプトでした。「ゴリラがメモリ割るの要らねー」って言う人結構多いんですけど、ガーデンはここぞという時にメモリーを割って運用する方が強いんですよね。
2月2日:アニーをつよくしたい
2月2日:アニーをもっとつよく
《希望の使徒アニー》をどうにか上手く使えないか試行錯誤していた時のデッキ。当時はイムアニー開発黎明期で、とりあえず1ターンの内にアニーを変身させようとしていた段階です。ここからオーバーヒートでアニーを2枚出して一気に両方変身させて強化するワンショットキルの方向性が見いだされ、ドローソースをもっと積んで水着キアナの起動効果と共に悪さするようになり、環境最強のデッキ「キアニー」へと変貌していきます。
2月3日:財テク野郎Aチーム
《狡賢財閥アルノー》の効果で相手にバーンダメージを与えて勝つことを目指したデッキ。B1で初登場したデッキタイプの中ではかなり好きでした。コントロール相手には強いけれどアグロ相手はからきしという絶妙な立ち位置のデッキでしたが、このデッキだと小粒の多いキアニーに大したダメージにならないのに、キアニーがそれ以上の火力を出してくるのでキアニーのヤバさが際立ちます。アルノーはB2になって機関車大好きおじさんのイメージが定着する前でも友達出来ないキャラとしていじられていました。
事前予想の段階でミア・ハリスンは相当警戒されていましたが、結局それほど強くなかったですね。もっとソルジャーズが増えていたら変わったのでしょうか?
2月4日:詩人のビート
《風来詩人ハーメルン》の効果を活用したデッキです。相手が罠をセットしない限り発動しない《アシッド・レイン》でハーメルンの効果を毎ターン発動させようとしていました。
当時の私はA3期でウォーブレの戦いの中心にいた3/4のステータスを持つユニット(イプシロン、ヴァネッサ、神秘の鹿など)から一回り大きいユニットがB1で活躍すると予想していましたが、そうはなりませんでしたね。結局イプシロンやヴァネッサの方が強いままでした。
2月10日:ウロボロス
同コスト以下のユニットを蘇生させるスペル《エス・シミュレーション》を活用しようとしたデッキです。ログイン効果でダメージを受ける《蛇神ナーガ》を体力最大の状態で蘇生したり、蘇生した《魔法連刃のミネルヴァ》を手札に回収したりとトリッキーな動きが出来て面白かったです。
2月10日:炎のさだめ
有志主催の非公式大会に出すように考えた、炎をテーマにしたデッキです。《炎神アゴウ》 の効果でどうにか《業火球》を量産できないかと考えた結果、《想受滅兵ネクトン》の起動効果を利用しようと思いつきました。実際に決まると確かに楽しいのですが、そこまでやっても別に強くないんですよね。
2月21日:天空パールバティ
ソウルバーストをすぐ使って《桎梏の神パールバティ》のコストを4にして、天空神の大型ユニットと共に攻めていくミッドレンジデッキです。ソウルバーストを使うタイミングが「メモリーが4~5くらいの時」というバキシェドともコンシェドとも違ったタイミングで使っていると面白かったです。コントロール系にリソース差で負けるパターンが結構多いんですけどね。
2月24日、2月27日:コンシェド
《堕天妃の急襲》を投入したコントロール志向のランプシェドデッキ。B1のシェドでは《堕天妃の急襲》が一番出世したカードですね。盤面の永続的なロックはかなり賛否が分かれました。一方で急襲と合わせて3点セットで使うはずの《報復の堕天妃ベラ》や《リバーサルウェーブ》はほとんど見ることが無かったですね。
3月2日:ナビカードバグ確認用デッキ
構築済みデッキが販売され、各国のナビゲーターが構築済みデッキ限定のプロモカードとして同梱されましたが、ここで一波乱ありました。 ウォーブレにはデッキに5種類の学問のユニットを揃えることでコストダウンするカードがあるんですが、その効果がナビゲーターカードを入れていると4種類の学問しか入れてなくても発動してしまうバグがあったんですね。
どうやらミスでナビゲーターカードに学問が設定されておらず、第6の学問のカードとしてカウントされていたのが原因のようです。開発会社がそれなりに優秀なところに変わっていたのもあって結構あっさり直りました。これがEpicsならどうだったのか……?
3月13日:いいとこ取りラピス
B1までのラピスの強いところをまとめようとして組んだラピスデッキ。動きがオーソドックスなので初心者にオススメしたりもしました。B1のGCである《風の村のナミ》はリストに有りません。満を持して実装されたアルティメットソウルバーストがあんまり成功したとは言えないところは残念でしたね。
3月13日:レシオ制試作
強すぎるカードはたくさん入れられない制限ルールでルームマッチをしていた時のデッキです。それぞれのカードにポイントを決めて、合計ポイントが一定値を超えないようにデッキを組むのですが、結構悩みどころが多くて面白かったです。
4月4日:ソドミッド
天空神より《終末の巨人ソドム》を評価するようになったころのミッドレンジデッキです。 ソドムはB1で最初に当てたSRなので思い入れがあります。例によってコンシェドには勝てないことが多かったのですが、ソドムは今も時々使います。アゴウ様はあんまり使いません。
4月8日:ユニオン
ウィットフォードΣと運命の逆転コンボを使いたくて組んだユニオンデッキ。氷を操る天才美少女はそこそこ使える場面も多かったりします。ユニオンのソウルバーストのおかげでそこそこトンチキなデッキでも戦えてしまうのはずるいなあと思います。
4月14日:ハイランダー万歳
ハイランダー(全てのカードが1枚刺し)デッキでルームマッチをしようとしていた時のデッキ。まさかB3でハイランダーシナジーが来るとは、このときは夢にも思っても居なかったです。
4月16日:牛鬼
プロモで来た牛鬼<試>を試すために作ったデッキです。B1カードの自傷コンセプトが弱い物ばかりだった 当時のタオシンにとって牛鬼は救いの1枚でした。
4月18日:ドンバルコン
ドンバルカンとソドムを両方使いたくて作ったデッキです。急襲でロックした方が強いのかもしれませんが、これはこれで盤面への打点が充実していて使っていると楽しいデッキでした。
メイグルやキアナのナーフ後で、マグナが激増していた時代だったので、AOEや盤面への打点を多めに積んでノポーを焼き尽くそうという考えでした。《先駆の豚王》なんかも多く出てくる環境で、「あーしんどいなー」と一番ひーこら言ってた時期でもありました。
4月18日:俺が来た
何を思ったか《超巨大艦ギガ・ザ・テラ》を使おうと思って作ったデッキです。楽しいけど別に強くは無かったですね。結局白獅子などいつものカードが強い、みたいな感じになってしまいました。そういう意味ではA1のコモンカードなのに結局B3までしぶとく生き残り続ける《神秘の鹿》はやっぱりすごいです。
流石にB1にも飽きてB2早く来てくれって時期でした。そういう意味ではB2の明日実装は衝撃でした。
思ったよりも量が多かったのでB2以降はまた別の記事で語ろうと思います。それでは